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和声課題からどうやって曲に発展させんのさ?

どうも、吉岡です。

 

このブログではオケアレンジを学ぶには

やっぱり和声学に触れておいたほうがいいよ!というスタンスをとっています。

しかし、じゃあ実際和声学の課題がどのように曲作りに繋がっていくのか?

今日はその辺について書こうと思います。

 

バス課題とソプラノ課題

 

和声学の課題は主に2種類。

 

・バス課題

・ソプラノ課題

 

と呼ばれるものになります。

 

と言ってもこの2種類、やることはあまり変わりません。

1パートだけあらかじめ音が用意されており、

そこに残りの3パートを考えて4声体和声を作っていきます。

 

ただし、そのあらかじめ用意されているパートが違います。

 

バス課題はバスパート、

ソプラノ課題はソプラノパートのみ

用意されており、その動きにふさわしい残り3声を作るのです。

 

そして和声学に取り組む最初の段階では

圧倒的にバス課題ばかりやることになります。

 

バス課題、つまりバスパートはもう決定している。

これは作曲に置き換えるならば

コード先行の作曲法に近いでしょうか。

ベースラインはもう用意されているわけです。

こういう感じです!低音のベースパートだけもう用意されています。

 

 

完全にコードが決まり切ってる場合もあるし、

場合によってはいくつかコードを選ぶ余地がある時もあります。

 

ですが基本的には大筋のコードの流れは変わらないものになります。

特に最初の段階では使える和音も少なく、ある程度決まった回答になってしまうことも多いです。

 

初期のバス課題はクリエイティブな創造性というよりは

まずは綺麗なハーモニー、綺麗な配置、綺麗な連結の基本を

徹底的に叩き込むステップと言えるでしょう。

 

はっきり言って自由度は少ない!

ですが後々、いざ自由になった時にそこに綺麗な音楽になるように

和声学を当てはめることができるよう、最初はガチガチにルールで固めているのです。

 

次に登場するのがソプラノ課題。

こちらは芸大和声の3冊の本で言えば2冊目後半に登場します。

こういうのです。バス課題とは真逆ですね。

 

2冊目の後半になると、同じキー(調性)の中で使用できる和音は

ほぼ全て登場した状態になります。

 

要は基本的なハーモニーの扱いをバス課題で徹底的に叩き込んだ後に

満を辞して登場するのがこのソプラノ課題です。

 

こちらはソプラノパートだけ用意されている…

すなわち作曲で言えばメロディ先行の作曲法に近い課題です。

 

今までのバス課題で学んできたハーモニーのイロハを

存分に用いてメロディに和音を肉付けしていくステップになります。

 

流れをまとめると

 

まずはバス課題で各種ハーモニーの扱いや、連結、配置などを

ルール先行でマスター。体に綺麗な響き、動きを染み込ませる。

 

 

次にソプラノ課題でメロディ(=ソプラノパート)に対して

和声学的なアプローチを行う訓練をする。

 

と言った感じです。

前半戦のメインであるバス課題だけでは

なかなか実際の作曲に持ち込むのは難しいです。

 

その先のソプラノ課題まで触れられれば

だいぶ自由度が上がってきて面白くなってきます。

 

2巻までの内容をみっちりこなせば

和声学の基礎的な部分は概ねマスターできるでしょう!

 

もう和声学的な綺麗さがその頃には体に叩き込まれているので

自分の作ったフレーズに和声学のフレームをはめることもできるし、

あえて外す選択肢を取ることもできるようになります。

 

その上でより発展的なステップ、

より実践的なステップへと繋がるのが

あの分厚い分厚い3冊目になるのです。

 

学生の頃には

どうやってら和声学を作曲に有効活用していけるのか、

なんであのタイミングでソプラノ課題の登場なのか、

 

さっぱり分かりませんでした。

 

ですが今になって和声学のレクチャーをすることになり、

改めて見直していくうちに新しい発見、気づきがたくさんあって

僕自身もとても勉強になっていて楽しいです。

 

最初はガチガチで

なんの役に立つのさ!と言いたくなるような課題も多いですが

きちんと繋がっています。

 

先のことを考えながら、楽しんで和声を学べるといいですね!

 

といったところで今回はこの辺で!

 

ここまで読んでくださって

ありがとうございます!

 

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お気軽にコメントいただけると嬉しいです!

また記事にして、

お届けしたいと思います。(^^)

 

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