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楽器の重ね方色々

こんにちは!吉岡です。

 

例えば、オーケストラでハーモニーを作るために、

いくつかの楽器を重ねますよね。

 

その中で、数種類の楽器が協力してハーモニーを作るという場面は

とても多いです。

 

 

1つの楽器群だけでハーモニーを充実させられるパートは

ホルンのように、通常で4パートの楽器くらいで

大体が他の楽器と一緒に作り上げることになります。

 

つまり音色が全く異なる楽器同士をブレンドさせていかないといけないわけですね。

そこが難しくもオーケストラの醍醐味とも言える部分でとても面白い部分です。

 

もちろん、シンプルに音域順に上から重ねるのもアリアリです。

ですけど、これだけ選択肢があるオーケストラ

他の手法を知っておくのも決して損はしないと思います。

 

ということで、代表的な楽器の重ね方についてまとめてみました。

 

主な楽器の重ね方

 

オーケストラアレンジにおいて基本とされる重ね方は

主に3種類あります。

 

1.)堆積法

2.)交叉法

3.)重複法

 

の3つです。

 

この中で一番シンプルなのが

1.)堆積法と呼ばれるやり方です。

 

1.)堆積法

 

すごく簡単です。

音域順に上から並べる。

 

です。

 

 

木管なら上から

フルート1,2

オーボエ1,2

クラリネット1,2

ファゴット1,2

みたいな。

 

とてもわかりやすいですが

良くも悪くも1つ1つの楽器の音が目立ちがちな

サウンドになりやすいです。

 

 

そして正直に白状すると、

昔の僕のオーケストラアレンジは

ほぼこの手法しか使ってませんでした。

 

 

これはとっても勿体ないことです。

 

この手法しか使わないというのは

たくさんの絵の具があるのに混ぜたりせず、

元々の絵の具だけで絵を描くような状態です。

 

そういうサウンドがいい時もあるので

そこが難しくも面白いところなんですけどね。

 

そんな絵の具と絵の具を混ぜて

絵を描くイメージなのが2.)の交叉法です。

 

2.)交叉法

 

例えば上から

フルート1

フルート2

オーボエ1

クラリネット1

オーボエ2

クラリネット2

 

とった具合に、

楽器を挟み込むようにして重ねる方法です。

 

とても楽器同士が馴染みやすく、

ハーモニー作りに向いた重ね方です。

3.)重複法

 

3.)の重複法は

特定の音のラインを2つ以上の楽器でなぞる

という重ね方になります。

 

絵ならば特定の線を重ね塗りするような

そういうイメージでしょうか。

 

ハーモニーの変化による音の動きが、

そのままオブリガートになるような

メロディチックな動きをしているラインに用いると効果的です。

 

これはちょっとイメージしにくいと思いますので、

例をご用意しました。

 

 

 

こちらの楽曲の1:54あたり、

少々見づらくて申し訳ないのですが、

楽譜は以下のようになっています。

 

 

ストリングスがメロディ、ピアノがアルペジオをしている中、

クラリネット、ファゴット、ホルンがハーモニーを形成しています。

 

そして赤枠の部分、

クラリネット1st、ホルン1st&3rdが同じ音を同じようになぞっています。

 

クラリネットもホルンも移調楽器なので楽譜がわかりにくいと思いますが、

要はこの3パートは

(写真には写っていないけどE♭→)D→D♭→C→Bと

半音で下降していくラインを強調しています。

 

役割はハーモニーなのですが、

ちょっとオブリガートみたいなニュアンスも持っているんですよね。

 

実際に聞いていただけばわかるかと思いますが、

ストリングスやピアノを邪魔しない程度に

だけど、確かに存在感があるくらいのバランスで主張しているんです。

 

他のハーモニーの音と比べて明らかに

ラインが強調されていますよね。

 

他のハーモニーの音には2パートずつしか使っていないのに

この半音下降のラインだけは3パート使っていることから

これは作曲者は意図を持って書いたかと推測できます。

 

いかがでしたか?

これらの手法はオーケストレーションでは初歩的な部分ではありますが、

意外と抜けがちで、しっかりと知っているだけでもアレンジの選択肢はグッと広がりますよね!

 

と、いったところで

今回はこの辺で!

 

ここまで読んでくださってありがとうございます!

 

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